情報データ科学部生にオススメする学びとは?
基本的に皆さんはキャリアを通じて、変化し続ける状況の中で常に知らないことに直面し、新しい技術や知識を取り入れ続ける必要があると思います。そのため、新しいことを学ぶ能力自体を鍛えていくことが役に立つと思います。この学ぶ能力の中には、興味を持つこと、何をいつ学ぶか判断することも含まれますし、教科書があるようなすでに体系化されている知識は素早く吸収することが求められます。
IT業界は常に進化し続けていますので、「今これを学んでおけば良い」というはっきりしたものはありません。大切なのは、興味を持った分野を効率的に学ぶ方法を追求し、戦略的に知識・スキルを修得していくことではないでしょうか。
私の場合、学生時代にコンピューターサイエンスを専門に学んだわけではないので、社会に出てから必要に迫られ、自分で学ぶことも多くありました。その経験から言うと、学生時代には、基礎数学や情報基盤の特に必修になっているようなカリキュラムについては、理論的な理解や基礎の習熟に重点を置くとよいと思います。例えばコーディングをする際、「値渡しや参照渡しがよくわかっていない」「可読性のあるコードが書けない」というようでは、ただ動くだけの実用に耐えないプログラムになってしまいます。こうした知識はプログラミングの授業で基本中の基本として教わることですが、社会人になってから基礎や理論を学ぶ機会はなかなか得られません。
また、実際に仕事をしていると新しい知識やスキルを素早く吸収しなければならない場面にたくさん直面しますが、基礎的な部分がしっかりしていないと、基礎から補うことになるため必要以上の時間がかかってしまいます。これは一緒に仕事をする仲間の負担にもつながりますから、必要な時に必要なものをスムーズに身に付けるためにも、土台となる基礎を固めておくことが大切だと思います。
データサイエンティストの世界では、現状確立したキャリアパスはあまりないかもしれません。当社でも、データサイエンティストなどの専門人材がより一層活躍できるような環境づくりを日々進めているところです。求められるスキルや取り巻く環境は高速で変わっていくため、不安に感じる方も多いかと思いますが、その分新しい世界を真っ先に味わえる楽しみがあります。
また、 Kaggle のようなコンペや、PyData といった技術コミュニティも多く、キャリアを通じて身に着けたハードスキルは業界や国が変わっても通用するものです。他の業界に比べれば世界の中で個人のプレゼンスを上げることは難しくありません。皆さんがご自身で学んだことがキャリアになっていくことは間違いないと思いますので、ぜひ楽しんで学んでいってください。
最後に、皆さんからすると保険会社にはあまりデータサイエンスのイメージがないかもしれませんが、顧客は多くの業種にまたがっているため、データの種類や適応領域も多岐にわたり、日々データサイエンスを駆使してDXを実践しています。もしご興味があれば我々の業界ものぞいてみてもらえると嬉しいです。