情報データ科学の「いま」がかわる!!プロのコトバ ~INTERVIEW~

原之薗一亨<(ハラノソノイッコウ)さん

世界の半導体製造を支える
精密空調の制御設計者

原之薗 一亨(ハラノソノ イッコウ)さん

【会社名】 伸和コントロールズ株式会社
【所属部署名・役職】 装置第2事業部 開発部 開発1課 制御設計グループ
【入社年】 2019年
【略歴】

大学は工学部で電気・電子工学を専攻。

研究室では磁性材料の着磁に関する研究テーマに取り組んでいた。

学部卒業後、伸和コントロールズに入社。半導体製造装置向けの精密温調装置の制御を行うソフトウェアの設計・開発に従事している。

インタビュー
世界の半導体製造を支える精密空調の制御設計者

現在の仕事について

伸和コントロールズ株式会社 原之薗さん

伸和コントロールズの紹介

伸和コントロールズは、バルブや温調装置の専門メーカーです。半導体製造を中心として、医療、航空・宇宙など多岐にわたる分野に高品質な製品を提供し、
世界レベルのモノづくりを高い技術力でサポートしています。

当社の事業は、バルブの開発、生産、販売を行う「機器事業」と、温調装置の開発、製造、販売を行う「装置事業」が大きな柱となっています。
機器事業では、流量を緻密に制御する様々なバルブ(管を通る液体の出入りを開閉によって調節する弁)を使用用途に合わせて開発、製造し、提供しています。
当社のバルブは人工透析装置やデンタルチェアなどのほか、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトにも採用され、成果を収めた実績があります。

装置事業では、液体を循環させて目的物を加熱・冷却する「チラー」や、温度や湿度を正確に制御する「精密空調」の開発・製造を行っています。
当社のチラーは、-65℃~250℃までの温度帯に対応しており、冷却能力は500Wのものから100KWのものまであります。
精密空調は、温度20℃~27℃の間で1000分の1℃まで調整が可能で、湿度においても±0.1%RHの正確さで制御ができます。
これらの温調装置は、半導体製造装置、液晶製造装置、有機EL製造装置、水素ステーションなどにも使われています。私が在籍する九州事業所では
「精密空調」の開発・製造・販売をメインで行っています。

入社した理由

就職活動時は電気工学の知識を活かして働ける場所として、電機メーカーに限らず、造船、空調、製紙業界といった分野を問わずに探していました。

そんな中で、大学のほうから「業界的にも盛り上がっているし、世界的、グローバルな会社になりつつある就職先」として推薦されたのが伸和コントロールズです。

私は鹿児島県の出身なのですが、同じ九州の長崎という地から「世界のモノづくりを支える仕事ができる」という点に魅力を感じ、入社を決めました。

現在の仕事と役割

▼ 仕事

先ほどお話ししたとおり、私が在籍する九州事業所では温度や湿度を正確に制御できる「精密空調」の開発・製造・販売を行っています。
このうち現在、私が担当しているのは、半導体製造装置向けの製品設計です。

▼ 役割

具体的には「制御設計」と言われる仕事で、精密空調装置に組み込まれる各種のモジュールをどのように連携・制御し、どんな処理によってピンポイントの温湿度を
実現するか、その仕様を考え、実際にソースコードをコーディングする形でソフトウェアを構築していきます。

仕事の流れとしては、まず半導体製造装置を導入するお客様の要望を聞き、どのような仕様にするかを決め、その仕様を実際の装置で実現するための要件定義から
コーディング、デバッグ、立ち上げ後のアフターサポートまで、一気通貫でモノづくりの仕事をします。

従来からある製品の派生のような設計もありますが、新規の装置を設計する案件も少なくありません。
この場合は、お客様の要望・要求を正確に解釈することがより重要になりますし、最初の要件定義や仕様の決定も難しくなります。時間のかかる作業ではありますが、新しいものを作り出す仕事ですから、大きなやりがいを感じます。 また、こうした日々の仕事に加え後輩の指導も行っています。

▼ 仕事に必要な知識・スキル

専門的なスキルとしては、まずプログラミング言語でのコーディングスキルは必須です。併せて、他者が書いたコードを解析する能力も大切になります。

また、装置の操作はタッチパネルで行われるため、タッチパネルのデザインスキルも欠かせません。
タッチパネルのデザインに関しては、設計者目線ではなく、実際に使用する人にとって使いやすいデザインにする意識が重要です。

さらに、タッチパネルとCPUボードの接続といった電気回路図を読む機会もありますから、ソフト面だけでなく電気系の基本的な知識も必要だと思います。

専門的なスキル以外では、コミュニケーション能力が大切です。
お客様とのやり取りはもちろん、チーム内でのすり合わせや他部署を巻き込んでの仕事もありますので、ディスカッションの中で自分の意見をしっかり伝えたり、
他者の意向を的確に汲み取ったりする力が求められます。その他、プロジェクトリーダーとしての業務もあるため、スケジュール管理やチームをまとめる統率力も
重要だと感じます。

▼ 仕事に対する考え(想いやこだわり)

製品には高い品質が求められるため、不具合を出さないために細心の注意を払って設計を行っています。

半導体業界の装置は仕様に制約も多く、できることが限られています。その反面、コーディングは個人の考え・個性を自由に発揮できる領域ですので、
制約がある中でも自由にできる所に面白みがあると考えています。

自らが提案し、装置に実装した機能がお客様から好評をいただいた際は何よりやりがいを感じます。また、装置が設計通りに動作するのを目の当たりにした際は、
安堵感と同時に成し遂げた達成感を味わうことができる場面でもあります。

情報データ科学部生にオススメする学びとは?

コーディングスキルを幅広く学ぶことができるため、「プログラミング演習」の理解は深めておくべきだと思います。

特に、組み込み系で最も一般的な言語であるC言語はしっかり押さえておくことをお薦めします。プログラミングに関しては、ある程度のスキルがあれば
会社に入ってから学び直す時間も削減できますし、情報系の学生であれば習得しておくべき科目の1つであると思います。

ソフトウェアを構築するにはハードの仕様をしっかり理解していることも大切です。

そこで「コンピュータアーキテクチャ」「組み込みシステム」「オペレーティングシステム」など、組み込みOSがどのように動き、プログラムがどのように実行されているのかを理解しておけば、ハードの面の理解に役立つと思います。会社により使用するOSは様々ですが、基本的な所を押さえておければ
設計業務の大きな手助けとなります。

近年はIoTの需要が広がっていますので「確率・統計」「数理・データサイエンス」「ビッグデータ分析」「人工知能」など、キーワードになる科目も押さえておくと良いでしょう。また、エッジ側だけではなく、フロントエンドやバックエンド側の知識も有した組み込みエンジニアとなると市場の需要はかなり高いので、Web系やデータベース系の知識があると選択肢が広がります。

学生へのメッセージ

半導体業界が盛り上がりを見せる中、当社もそれに追従して事業拡大を続けています。

IT化が進んでいる現代、産業の中核を担う半導体業界に対して、当社は世界トップシェアの精密空調装置を提供し、世界中のユーザー様から評価されています。
会社としても非常に安定しており、日々の業務を通して会社だけでなく、グローバルに貢献できていることに誇りを持って働ける環境だと思っています。

長崎から世界に向けたモノづくりができるという魅力だけでなく、本社が神奈川にありますので、
給与面は関東圏の企業と同等ですし、手厚い福利厚生も備えています。

伸和コントロールズという社名には「和して伸びよ」という精神が示されているのですが、実際に社員同士も仲が良く、職場には常に活気があふれています。
若手層も多いため、同年代と楽しく仕事ができる環境です!

ご興味がありましたら、工場見学や説明会なども常時対応可能ですので、ぜひお気軽にご連絡ください。

(インタビュー日:2022年3月25日)